20年間、様々なブランドの服を
手掛けてきたから分かる。
すごくベーシックに、
美しい服を作る縫製仕様。
パイピングまたは折伏せをきっちり行い、ほつれなく内側の見た目もすっきり仕上げています。パイピングは縫い代の端をテープでくるむ仕様に。折伏せは縫い代端を裏側に織り込みステッチで抑える仕様にしています。
さらに、厚みを出したくないものはパイピング始末、薄地は折伏せと使い分けを行い見た目にも綺麗に仕上げています。
パーカーのフード襟ぐりやファスナーテープ布はくるむまたは押さえるなど、縫い代を包むように処理するバインダー始末をすることで縫い代が立ち上がり肌への刺激を抑える効果があります。またファスナー端など同素材やソフトな素材生地でくるみテープ端が肌をf刺激するのを抑えます。地味なところですが、女性にとって肌への刺激は無視出来ないポイントです。
繊細な透け素材はロックせず袋縫いします。2枚の布地を外表に合わせて縫い合わせ後,裏に返し,裁ち目を中に包むようにして縫うことで見た目の美しさを優先しています。
薄手の生地でポケットがあるデザインの場合、その厚み(重み)でシルエットが崩れてしまうことがあります。そのようなときは片端をわ(輪)にする袋縫い処理をすることで極力薄く、服の形が崩れないようにしています。
襟無しのデザインの襟ぐりや袖なしのアームホールの弧の部分は裏バインダー始末をします。縫い代部分に対して、三つ折れもしくは四つ折れのパイピング始末を行い、その後にバインダーを裏側に折り返してステッチで押さえます。表側からはシングルステッチのみが見えて、裏から見るとテープ状に始末されたように見えます。既製のバイヤステープを使用する事もありますが、共生地をテープ状に加工して縫製をしています。
台衿または月腰は、衿を美しく仕上げるために必須の処理です。台衿または月腰のない衿は、衿折れ部分がおおよその位置になりますので縫製やアイロンの仕方によって衿が折り返る位置が変わってしまいます。適切な補強を入れることで、いつまでも形を保てる衿に仕上げています。
一般的に袖口はあまり注目されない部分で縫い目を減らす処理の(コストダウンの)対象になりがちです。逆に袖口の処理を見ればその服の品質が分かるとも言われています。
テーラードジャケットやコートの袖口にはオーダースーツ等で施される本切羽(本開き)、開き見せ(飾り明き)の場合でも袖口先のボタンの付け位置にひだやダーツをとり、縫い目があいているように見せる妥協しない処理を施しております。
ワンピースなどの薄地のカフスにはさり気なく内側にゴムを入れることで着脱しやく、またたくし上げた時に好みの位置で固定できるようにしています。
私たちが本当に作りたかった、
生地縫製にこだわった服。